今日から新年度ですね。3月は春休みだったのですが、1日1冊というペースは守れませんでした。まぁ、こんな月もありますよね。
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3月になりました。2月は試験の関係上、それに関わる書籍を多く読みました。3月はもうちょっと文学などにも触れたいです。まずは魔の山を読了することからかな。
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2月の読書メーター
読んだ本の数:34冊
読んだページ数:11042ページ
憲法〈2〉読了日:02月28日 著者:
野中 俊彦,高橋 和之,中村 睦男,高見 勝利
戦争で死ぬ、ということ (岩波新書)読了日:02月27日 著者:
島本 慈子
危機の日本政治読了日:02月25日 著者:
山口 二郎
資料で読み解く国際法〈上〉読了日:02月24日 著者:
大沼 保昭
国際政治史の理論 (岩波現代文庫)読了日:02月23日 著者:
高橋 進
国際法 (有斐閣アルマ)読了日:02月21日 著者:
中谷 和弘,河野 真理子,山本 良,植木 俊哉,森田 章夫
外交敗北――日朝首脳会談の真実読了日:02月21日 著者:
重村 智計
日本の大国化とネオ・ナショナリズムの形成―天皇制ナショナリズムの模索と隘路読了日:02月19日 著者:
渡辺 治
対論!戦争、軍隊、この国の行方―九条改憲・国民投票を考える読了日:02月18日 著者:
渡辺 治,伊藤 真,畑山 敏夫,小林 節
アメリカ合衆国の膨張 (世界の歴史)読了日:02月18日 著者:
紀平 英作,亀井 俊介
魔の山〈上〉 (岩波文庫)読了日:02月17日 著者:
トーマス マン
国際政治とは何か―地球社会における人間と秩序 (中公新書)読了日:02月17日 著者:
中西 寛
平和秩序形成の課題 (講座 戦争と現代)読了日:02月16日 著者:
アメリカ外交50年 (岩波現代文庫)アメリカ外交、国際政治を学ぶなら確かに必読。が、アメリカ外交のまさに当事者だったということを考慮して読む必要がある。これはナイとかキッシンジャーとかにも言えるけど。
読了日:02月16日 著者:
ジョージ・F. ケナン
脱ゴーマニズム宣言―小林よしのりの「慰安婦」問題読了日:02月15日 著者:
上杉 聡
平和政策 (有斐閣ブックス)読了日:02月14日 著者:
現代政治理論 (有斐閣アルマ)読了日:02月14日 著者:
アメリカ政治 (有斐閣アルマ)読了日:02月14日 著者:
久保 文明,松岡 泰,砂田 一郎,森脇 俊雅
東アジア共同体の構築 (MINERVA人文・社会科学叢書)読了日:02月14日 著者:
西口 清勝,夏 剛
世界はなぜ仲良くできないの?―暴力の連鎖を解くために読了日:02月13日 著者:
竹中 千春
新自由主義か 新福祉国家か <民主党政権下の日本の行方>読了日:02月12日 著者:
渡辺 治,二宮 厚美,岡田 知弘,後藤 道夫
民主党政権は何をなすべきか――政治学からの提言読了日:02月11日 著者:
民主党政権は何をなすべきか――政治学からの提言短いのですぐ読める。一市民としてこの本を読んだ場合、問題が多い。(1)民主党はなぜあんなに大勝したのか、(2)普天間でのジグザグの対応はなぜか、(3)小沢騒動はなぜ起こったのか、などのことが触れられていない。無論、参考になる部分もあったが。村上論文と宇野論文がそう。
読了日:02月10日 著者:
行政学読了日:02月10日 著者:
真渕 勝
国際政治―恐怖と希望 (中公新書 (108))読了日:02月09日 著者:
高坂 正尭
現代政治理論 (有斐閣アルマ)読了日:02月07日 著者:
市民政府論 (岩波文庫)読了日:02月07日 著者:
ロック
ハゲを生きる―外見と男らしさの社会学読了日:02月06日 著者:
須長 史生
スタイルズ荘の怪事件 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)読了日:02月05日 著者:
アガサ クリスティー
「新しい戦争」の時代と日本 (講座 戦争と現代)読了日:02月05日 著者:
名短篇、さらにあり (ちくま文庫)読了日:02月05日 著者:
舟橋 聖一
民事訴訟法 第6版 (有斐閣Sシリーズ)読了日:02月04日 著者:
上原 敏夫,池田 辰夫,山本 和彦
民法 III [第3版] 債権総論・担保物権読了日:02月03日 著者:
内田 貴
家族心理学への招待―今、日本の家族は?家族の未来は?読了日:02月02日 著者:
柏木 惠子,平山 順子,大野 祥子読書メーター
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だいぶご無沙汰していました。ようやく試験が終わったのです。春休みになって時間もできましたので、いろいろ書いていこうと思っています。
今回は、北海道大学法学研究科教授である山口二郎編『民主党政権は何をなすべきか――政治学からの提言』(岩波書店、2010年1月発行)の紹介です。
本書は、自民党政治を批判し続け、その対抗馬として民主党を応援する議論をしてきた山口二郎を中心とする、専門分野の異なる10人の政治学者の論文集です。山口が代表を務める
市民社会民主主義の理念と政策に関する総合的考察(科研費で担われている研究プロジェクト)の研究成果でもあります。民主党政権が発足してから、政策提言を行う様々な本が出ていますが、本書はその中で代表的なものでしょう。
本書は以下の四部構成です。「I 政権交代の意義」では、今回の政権交代が日本の政治史、また日本の政治学史の中でどのように位置づけられるかが述べられます。「II 政権運営の課題」では、行政学の観点から、民主党政権を分析し、課題を指摘します。「III 政策実現への道程」では、経済・地方自治・外交それぞれの専門家が、その分野で民主党政権がとるべき政策を提示します。「IV 民主政治の展望」では、政治思想・政治理論の専門家らが、鳩山首相の「友愛」や二大政党制や民主主義の現状について分析しています。
本書の意義について述べておきます。
まず、政権交代がなされた直後の段階で本書が企画され、民主党政権への提言という形で出版されたこと自体は、高く評価したいと思います。ここ最近の政治学は、価値判断の伴わない数理的な政治分析に終始し、現実政治との連関を失っていたきらいがありますが、それを問題と捉えて、現実政治を批判的・規範的に論じたことは重要です。この政治学の問題については、2本目の論文、村上信一郎「一党優位体制の崩壊」で詳述され、雑誌『レヴァイアサン』に代表されるような現代政治学の主流が、アメリカ政治学の方法が無批判に導入されたものであり、自民党による長期政権を正当化する役割を果たしたことが明らかにされています。
しかし、全体を通して評価できるところは、私見では上の一点のみです。無論、個々の論文に評価すべきところはありますが、本書が、民主党政権への提言としてあるいは民主党政権について考えたい市民が読む物として、役立つかということを考えると、批判すべき点を率直に指摘しておかねばならないからです。
第一は、今回の政権交代を引き起こした昨年の総選挙の結果についての分析がないということです。なぜ自公旧与党はかくも大敗したのか、民主党のひとり勝ちは何によってもたらされたのか、言及されていません。この結果、政権交代の意義が、自民党による長期政権・自民党優位の政党制の終焉というところにだけ留まっています。ここでは、自民党が1996年の総選挙を境にして利益誘導の政党から新自由主義の政党に変貌したことなどが考慮されていません。また、自公旧与党への批判の大部分に、反構造改革があったのは論を待ちませんが、それを作り出した反貧困の運動や労働運動への言及もないのです。
第二に、今までの政治がいかなるものでどんな問題点があり、それを克服するためにはどんな政治が必要なのかという、総論的な考察もありません。編者である山口二郎が最初に書くべきものだったと思いますが、なぜできなかったのでしょうか?
第三は、第二の点のコロラリーですが、実はそれぞれの提言が目指す方向がバラバラなのではないかということです。例えば、5本目の高橋伸彰「生活第一の内需主導へ」では構造改革のイデオローグであった竹中平蔵が痛烈に批判され、構造改革路線からの脱却が主張されます。ところが6本目の小原隆治「分権・自治をどう進めるか」では自治体がより自由に政策決定・執行できることを理由に、ナショナルミニマムを引き下げても構わないと述べられています。小原は、住民が決められる幅を大きくするのだから良いと述べていますが、これでは構造改革で進められたカッコつきの地方分権と袂を分かつことは不可能です。
戦後日本を代表する政治学者・思想家であり、現実政治へのコミットが多かった丸山真男は、政治学者のことを「あらゆることについてなにごとかを知り、なにごとかについてあらゆることを知っている」者と述べました。彼の議論すべてに私は与するものではありませんが、その全体性の追究は見習うべき姿勢です。純粋科学としての政治学を追究した結果現実政治との連関を失った現代政治学を批判し、現実政治の変革を願う本書の著者らであれば、この姿勢に立ち返る必要があるのではないでしょうか。
【2010年3月9日追記】
2月15日付の日本農業新聞に本書の書評が掲載されており、読んでみました。私が評価した点は共有されていたものの、農業界の立場からのコメントがないことが残念でした。本書には鳩山政権の農業政策については触れられていないので、それについてどう批判しているのかなと思っていたのですが。
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